太陽食品からの旬なニュース
春にぴったりのレシピ
ジャーサラダ (ビン詰めサラダ)
作り方はいたって簡単!野菜を味が染みにくいものから順にビンに詰めて、ドレッシングを入れるだけ。週末にまとめて作り置きしたり、朝食やお弁当に活用したりと便利。さっそくジャーサラダ生活、はじめてみませんか?
今回は、玉ねぎ、にんじん、レタス、きゅうり、ハッピートマト、ゆでたまごの順に入れてみました。野菜はなんでもイイんですよ。ドレッシングもお好みで。彩りをカラフルにすると春らしくて気分も上昇しますネ♪
春野菜のちらし寿司
春は何かとお出かけやおもてなしをする機会が多いもの。春らしい食材を少しだけ加えると、料理にぐっと季節感が出て盛り上がります♪サーモンのきれいなピンク色と、春野菜の様々な色合いが見た目にも楽しませてくれます。
酢飯に、甘辛に味付けしたしいたけ、たけのこ、酢れんこんを散らし、茹でた菜の花をわさび醤油で和えて飾ります。サーモンはお花の形にくるりと丸めて飾ります。見た目にも華やかで食べると抜群においしいちらし寿司が出来上がり♪
無農薬のいちごが、佐賀県の古賀さんより入荷しました!
無農薬のいちごハウスには工夫と生物たちがいっぱい!
古賀さんのいちごの特徴はなんといっても無農薬であること!さわやかな甘さが特徴の「佐賀ほのか」という品種を主に栽培しています。
<太陽光を活用して病気を予防>
まず土づくりとしては、夏の暑い季節にハウスを締切り、ハウス内の温度が80度になるとその高熱で土壌消毒をします。10月に苺の苗の定植をし、籾殻を石灰の代用に、土壌改良に、マルチに、肥料に、病害虫予防に、雑草抑制にと様々に利用します。害虫防除として、葉ダニを餌とするダニや、アブラムシの天敵の蜂を放します。農薬を使わないので、ハウス内には受粉用の蜜蜂が飛び交い、バッタや蜘蛛など害虫、益虫いろいろな生物が満ち溢れています。
古賀さんのいちごはこちらからご注文いただけます(^~^)
自然食品専門 オーガニックショップ 太陽
お待たせしました! 竹嶋さんのりんご
「りんごは農薬が作る」と言われるほど、高温多湿の日本で栽培するのは難しく、一般的な農法では殺虫剤や落下防止剤など収穫までに約20回以上も使うのが常識。そんな中で、親子三世代に渡り、代々安心して食べられるりんご作りを続けるのが、竹嶋さんです。
竹嶋りんご園のはじまり
りんごの受粉は、数種類のりんごの花粉をつけて受粉させる「他花受粉」というもので、ひとつひとつを手作業で行うため、農家にとって受粉作業は大変な苦労でした。昭和25年、竹嶋儀助さんが「マメコバチ」による受粉に成功し、その方法を多くのりんご農家に教え広めていきました。昭和35年には、最大の害虫ハマキムシを、その天敵である「ミカドドロバチ」で駆除する方法を確立しました。竹嶋りんご園のはじまりこのふたつの発見は、りんご農家にとって画期的なことでした。そして、竹嶋さんは環境にやさしい自然農法で、おいしいりんご作りに心から努めていきました。
竹嶋さんのりんご作りは三代継承しています。

自然と共存すること、
そして研究熱心。「私の
りんごは無毒りんごです」
と言い切った儀助さん。
そのりんご作りへ情熱は
多くの人を支えました。

儀助さんのりんご作りを
見て、聞いて学びなが
ら、何度も何度も失敗
を重ね、皮ごと安心のり
んごを作り続けました。

さらに美味しいりんごを
毎年食べて頂けるよう
に。土づくりや品質保
持に気を配り、今も努
力を絶やしません。
りんごの命はしっかりと次の世代へバトンタッチされています。
「くすり」をまかなくても害虫駆除ができる!
竹嶋りんご農園の先々代・竹嶋儀助さんは、あるとき大変おもしろい研究をしました。りんごの害虫であるハマキムシ対策に殺虫剤ではなく、天敵の「ミカドドロバチ」を
利用したのです。ミカドドロバチは、畑の中の小屋の軒下に取りつけられた竹筒の中に卵を産み付けます。筒の中でミカドドロバチは、捕まえたハマキ虫の幼虫を仮死状態にして側に卵を産み付け、ふ化した幼虫の餌として用意しておくのです。こうした天敵利用による害虫駆除は、農薬を使わない畑でこそ初めて出来ること。竹嶋さんの畑には盛り沢山のアイデアがちりばめられています。
一方、一般のりんご園では・・・「りんごは農薬が作る」と言われるように、高温多湿な日本では、りんごの栽培は難しく一般的な農法では殺虫剤や落果防止剤等が、年間20回以上も使われています。
自然食品 オーガニックショップ 太陽
自然農法 吉池さんの「本物ぶどう」
長野市の中心から南に10キロ弱、しなやかにゆったりと流れる千曲川。早瀬にはアユがきらめき、水辺ではアカシアや柳の濃い緑を分けて、風がわたっていきます。里では杏がだいだい色に実り、稲田の若い苗がつんつんと空に向かって伸び、日が落ちると支流にはホタルが舞い、田んぼは、たちまち蛙の声で席巻されます。海から遠く離れ、周りを山々に囲まれた千曲川流域は、雨の少ない内陸性気候で、乾いた気候を好むブドウの栽培に適しています。その千曲川を渡ってすぐのところに濃厚なワインの香りが立ちこめる吉池さんのブドウ園があります。
吉池さんの「本物ぶどう」は、ぶどう本来の味を楽しむ消費者の皆様に支えられています。
■一般市場では「食味」よりも「見た目」重視。
→農薬を使って棚もちを良く、粒を大きく
→「ジベレリン処理( ホルモン剤)」で種なしにする
→未熟なうちに収穫するのでぶどう本来の味ではない
■吉池さんは農薬を使わず、熟してから収穫
→完熟なので実がポロポロと落ちやすい傾向がある
→ジベレリン処理をしないので種がある
→本来のぶどうの美味しさが楽しめる
吉池さんのぶどう作りの苦労と工夫
ご両親から受け継いだ自然農法でぶどう作りを続けて50年以上。吉池さんが大切にし ていることは、愛情を込めたブドウの観察。葉っぱの色、巻きひげの伸び具合、芽の伸び具合、剪定、摘果など、こと細かに気を配ります。「農薬をタップリと かけて自分では食べる気がしないようなものを、ひと様に売るなんて、とても出来ない」と信念を貫いていらっしゃいます。
吉池さんのブドウ園では「巨峰」と「ナイアガラ」という2品種を栽培。(※2016年に初めてロザリオ・ビアンコを出荷しました。)ブドウの栽培 は前年の11月から始まります。まずは、培養土、堆肥、敷き草、枯れ葉などを入れて土作り。せん定が終わるのは3月。その後、余分な芽を摘む芽かき、枝を 無駄なく這わせる作業などが続きます。5月には房が伸び、6月初旬には花が咲きます。
病害虫の予防としては、せん定した枝で炭を作って畑に返し、副産物としてできる木酢液を葉に散布し病害虫の予防に役立てています。自然農法だけに、天候が不順だと、どうしても病害虫の被害が増加してしまうのです。
日本は、温暖で多湿な気象条件から、病虫害の発生が多く、無農薬でのぶどう栽培はほ ぼ不可能と言われています。ブドウには、晩腐病や灰色かび病、黒とう病、べと病や、あらゆる害虫など、収穫までに多くの障害があり、実際に長野県内で定め られているぶどうへの農薬使用回数が24回ということからも、栽培の難しさが分かります。
吉池さんはこれらを、長年の試行錯誤でひとつ、ひとつ、農薬に頼らずに、細やかな観察力で克服してきました。皮ごと安心して食べられる吉池さんの「本物ぶどう」は、栽培技術の高さと日々の観察による細やかな管理があってこそ。執念が生みだした、まさに奇跡のぶどうです。
ぶどうには、生命力を強くするブドウ糖が豊富なうえ、体や細胞を元気にする各種ビタミンにも富み、ヨーロッパでは「畑のミルク」と言われています。
季節の変わり目は自律神経を整えましょう。
季節の変わり目は自律神経が乱れて、体調を崩してしまいがち。自律神経はストレスにも影響されるため、日中仕事でお忙しい方、残業続きでなかなかお休みが取れない方も要注意です。
自律神経がうまく機能しなくなると、様々な体調不良の症状として現れ、放っておくと慢性病の原因ともなります。■そもそも自律神経ってなに?
自律神経とは内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整えるものです。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がの2系統があり、これらが正常に働くことで、血管を通じて酸素と栄養が全身の細胞に届けられ、呼吸・血流・消化・代謝・体温調節といった、大切な機能が正常に保たれます。
この2つの神経がバランス良く働いている状態が、身体にとっても快適な状態です。


\太陽食品おすすめ!/
自律神経の乱れを防ぐ3本柱
①米・野菜・発酵食品中心の「和食」を

お米は体を温めてくれます。さらに雑穀やお豆を混ぜて炊けば、白米に不足しがちな栄養が補われ、食物繊維やミネラルもアップします。
子どもたちに人気のさつま芋ごはんもおすすめです。

夏こそおすすめしたいのは一日一杯のお味噌汁。
冷え性や貧血を予防したり、夏の疲れた胃腸を整えてくれます。具には、海草や季節の野菜を取り入れて。
ぬか漬けや納豆などの発酵食品も腸内環境を整えてくれます。
②補助食品で腸内環境を整えよう
「腸は第二の脳」とも呼ばれ、自律神経と密接な関係があってお互い影響し合っています。
腸内細菌のバランスを整えて腸の働きを良くすると自律神経が整います。補助食品の力を借りて、徹底的に腸内環境を改善しましょう!
③からだを「温熱」で温めよう
太陽食品のおすすめは、遠赤外線を放射しながら注熱で体を温める「三井式温熱治療器」。温熱治療器で温める習慣をつけることで、基礎体温が上昇します。
すると体内の酵素の働きが活発になり免疫力が高まって本来誰もが持ち合わせている自然治癒力が再生します。特に「背中」・「首のつけ根」・「仙骨」部分に注熱を行うことは乱れた自律神経バランスを整えるポイントです。
太陽の黒ごまができるまで
皆さん、覚えていらっしゃるでしょうか。今まで弊社と長年のお取引があった国産ごまメーカーが、ごまの産地を偽装していたとして、2018年に大きなニュースになりました。日本の国産ごま生産の第一人者ともいえるようなメーカーさんだったので、それはそれはショックでした。その後は、国産ごまは市場からほとんど消えてしまいました。
しかし、その後も、お客様から「国産ごまがほしい!」という強いご要望をいただき、「どうにかして国産ごまを確保したい」と、弊社の取引先に聞いたりインターネットで情報を集めましたが、あっても既に売り切れ、または数が少なく分けて頂けない状況でした。本当に困り果てました。「国産のごまは、ここまで市場から消えてしまっていたのか」と・・・・・・
そんな折、弊社社長の鶴田から「国産ごまがなければ、作ればいい」という提案があり、鹿児島の農家の皆様にお願いし、ごまの栽培を始めてみることにしたのです。また、私たち太陽食品のスタッフも、横浜の生産者・栗原さんの有機JASの畑を一部お借りできることになり、「ごま育ててみよう!」ということになりました。
ごまは、古くから日本で食されてきた親しみのある食材です。原産地はアフリカ、紀元前三千年前から栽培されており、日本には奈良時代に伝わり、昔は多くの農家が自家消費用にごまを栽培していました。しかし、ごまを育て種子をとるのは大変な手間がかかるため、今では日本でごまを作る農家は激減しています。そんな状況を改めて知るにつけ、「国産ごまを廃れさせてはいけない!」という使命感にさえ駆られ、スタートしたごま栽培でしたが、鹿児島の農家さん含め、だれもごま栽培のノウハウなどなく・・・・・
昨年5月から開始したごま栽培。さて、どうだったのか?ご報告いたします!
【2019年3月】
鹿児島の油屋さんで「ごま勉強会」!
とにかく、どこか「国産ごま」を扱っているところを探そうと手当たり次第に電話をかけたおかげで、鹿児島県の「伊集院製油」さんという昔ながらの油屋さんに出会い、ごま栽培やごまの加工方法を教えていただきました。太陽ではおなじみの鹿児島の寺原さん、ジャランさん、中間さんは皆、有機栽培の達人ですが、ごま栽培に関しては素人。伊集院製油さんにごま栽培のいろはを教えていただき助かりました!
ごま農家の下之段さんの畑も見学させていただき、ゴマ栽培はお天気との勝負、雨や台風で全滅というリスクもあるそうで・・・。ごまの選別も大変なのだと驚き、心配になりながらも「一度作ってみよう」と皆で励ましあい。いよいよ4月からごま栽培開始です!
【2019年5月】
種まき、発芽、あとは毎週草むしり
ごまの国内自給率は0.1%。「ごま」が1000個あったとしたら、そのうち1個だけが「国産」・・・。栽培している人も同じようにとても少なく「ごまの育て方の教科書」というものもほとんどなし。畑によっても栽培方法は異なるため、基本的な栽培方法を「伊集院製油」さんで教えてもらったあとは協力農家さんが各自で工夫して種をまきました。
5月末~6月上旬にまいた種は1、2週間で発芽し、順調に成長中。しかし、ごまの成長期=梅雨の時期。雑草の勢いもすごいため、毎週毎週草むしりがかかせません。暑い中、手作業による除草は重労働です。
【2019年7月】
台風に備えて支柱設置。一部の畑では被害が・・・・・・
7月になるとピンクの可憐な花をつける株も出はじめました。花の下には鞘(さや)がつき、中にごまが実り始めます。今後は大雨、台風に備えないと!ごまは背丈が高く風が強いと倒れてしまうので、支柱をたてて保護します。
実は、ジャランさん、中間さんの畑は、支柱を立てる前に台風の被害を受け、倒れた茎に病気が発生!全滅という結果に・・ごま栽培の難しさを痛感しました。
【2019年8~9月】
いよいよ収穫!1本ずつ刈り取った後は乾燥へ
寺原さんのごまはなんとか無事に収穫までこぎつけることができました。葉や茎が黄色く変化してくると、鞘の中のごまも白→黄→茶→黒にかわってきます。葉を落とし鞘だけの状態にして1本1本手で刈り取り。鞘からごまがこぼれ落ちないように気をつかいます。その後、雨をよけて乾燥させると、ごまがパチパチと音をたて飛び出してくるのです。最後は、しっかり茎を手で振ってごまを収穫。しかし、ここからがまた大変です。葉っぱや鞘の破片なども大量に混じり、この選別作業が待っているのです。
【2019年10月~】
水洗い、ごみの選別。すさまじい作業でした!
まずは、唐箕(とうみ)という昔ながらの農具を使って、不純物を取り除きましたが、葉や鞘の破片、色の悪い未熟なごまは取りきれません。それを取り除くのは「すさまじい」作業でした。まず洗い、沈んだごまを分別した後にふるいでごみを落とします。1週間以上天日干した後、最終的には小さなごみをピンセットや絵筆などを使って選別していきました。「色彩別選別機」という何百万円もする機械があれば選別も簡単なのですが、そんな機械はあるはずもなく・・・・・・
【2020年6月】
しも農園さんの力を借り「太陽の黒ごま」完成!
農家さんと太陽スタッフで手分けして選別を行い、ようやくできた「太陽の黒ごま」。
製品化するために色々なメーカーさんに当たったところ、幸運なことに、宮崎県の「しも農園」さんに出会ったのです!そして、「しも農園」さんがお忙しい時間を割いて私たちのごまも加工してくださることに!最終的に「洗いごま」「いりごま」「すりごま」にしていただきました!
寺原さん、本当にお疲れ様でした!
鹿児島県産、自然農法のごま
太陽の黒ごま ぜひご賞味ください!
栗原さんの畑レポート 有機小松菜の収穫
自然農法40年。小田原の石綿さんを訪ねて~
太陽食品に長年、作物を届けて下さっている、自然農法の先駆者のお一人、
小田原の石綿敏久さんを訪問し、貴重なお話しをうかがってきました。
<石綿さんのご紹介>
キウイフルーツを、日本で最初に「無肥料」で作ったことで知られる石綿さん。国内外から多くの果樹農家の方が、無肥料栽培について学びに石渡さんの畑を訪れます。
石綿さんは、昭和50年頃より自然農法を実施。念願だった国内有機JAS制度が始まり、平成13年1月には、仲間と共に有機JAS認定を取得しました。それまでは偽物が台頭し、生産者や消費者を惑わし困らせていましたが、やっと安心して生産物の販路や生産者の拡大が出来るようになり、小田原有機農法研究会を立ち上げられました。
有機農産物を作り始めた頃からの念願だった「本物の味を子ども達にも」の思い。
学校給食にみかんやキウイを提供したり、平成9年からは、地元の小学校の児童に有機稲作・米づくりの指導を続けてこられ、現在に至ります。
さらに「小田原有機の里づくり協議会」副代表として小田原の地に健やかな食文化を拡げる活動や、里山再生の取り組み、有機農法新規参入希望者への実習指導など、ご自身の畑の管理をされながら、地域や環境への保全に尽力をつくされています。

<小学校に無農薬のお米作りを指導>
私は有機、自然農法を始めて40年が経ちます。
いまから20年前にね、地元の久野小学校の無農薬のお米作りの指導を頼まれました。(息子さんが小学5年生のころ)
当時は、無農薬なんて、変わり者の農法でね、世間からずれていたんだけど、小学校から無農薬のお米作りの指導を頼まれて、え?とビックリしたのを覚えています。
なんで先生が興味を持ったのかな?と知りたくなり、当時小学5年生だった息子の社会科の教科書を見たんだよね。
そしたら、地球環境の公害のこと(オゾン層破壊、地球の温暖化など)が写真入りで載っていて、合鴨農法まで出ていたんです。今じゃ当たり前かもしれないけど、40年前から変わり者の農業と言われてきた僕にとっては、驚きだったね。
いま、子どもがね、こんな勉強をしてるのか!!と。先生が、無農薬のお米作りを指導してください、というのももっともだ、と思いました。それが最初の印象です。
<農家は減る一方>
それから20年間、地元の小学校の小学5年生に無農薬のお米づくりの指導を続けています。
わたしが子どもの頃は、学校の生徒の半分が農家の子だったね。それが20年前はクラスに5人、いまは、親が農家の子というのは、ほぼいません。農家が減っているのに、有機農法をする人はもっと少ないよね。
有機農法は、やろうと思えば、今は周りの人が協力、理解をもってくれる環境だから、やれる時代である。ただね、技術は別だよね。9割の人が挫折していくから。
家庭菜園だったら、農薬、化学肥料を使わないでも気軽にできるけど、それを流通、販売するとなると、いまの日本ではとても難しいんだよね・・・。
一回食べて、美味しければ売れます。
でも、有機のシールが張ってあっても、美味しく無ければ、次は買ってもらえない。
無農薬だから売れる、というものではないのね。特にみかんなどの嗜好品はそれが顕著で、有機JASのシールではなく、「味」が決め手。せっかく苦労して有機のシール張って出したものも、売れなければ、農家はやっていかれない。それを痛感しました。
<自然界の動物たちは、本物を選ぶ名人!!>
小学校の田んぼです。
田植えをする前の日、水を入れて田植えの準備をしていると、野生のカモが田んぼでくつろいでたの。
野生の動物は警戒心が強く、普通は逃げるんだけど、僕が運転するトラクターが近くにいっても動じないの。不思議だよね。自然農法の畑や田んぼにくる野生の動物はとても大胆なの。でも、慣行農法の田んぼにカモかいるのを見たことはない。
なぜ?エサもそれほどないときに、なぜ自然農法の田んぼにくるの?
──それはたぶん、「気持ちがいい」。居心地が良い、からだと思うんだよね。
<有機農法の田んぼでよく見られる現象>
田んぼ一面、クモの巣が夜露で光っているの、分かる?秋口によく見られる場面です。慣行農法ではあまり見られない。
クモが大発生するということは、害虫が大発生してるということ。これが、慣行農法だったら、害虫が大発生しても、クモが少ないから、農薬を使わざるを得なくなる。(生態系のバランスが崩れてしまっているから)
「消える赤とんぼ」なんていう新聞記事のニュースが話題になったことがあったけど、ネオニコチノイド系の農薬(昆虫の神経をやっつけて殺すもの)が問題視されました。昆虫の世界では、大変なことがいま起きているんだよね。でも、EUでは使用禁止されているのに、日本ではいまだに使われている。もしかすると、人間の発達障害にも、繋がるところがあるね。もはや、人体実験をされているようなものだよ。
<石綿さんが感じる、日本人の意識>
日本人ってさ、関心がないっていうか、見た目ばっかり気にしていて、中身に無頓着な人が多いかもね。例えば、ヨーロッパでは、野菜の市場で、折れた大根が堂々と売られていたの。なんで?と聞いたら、「大きいから折った」んだって!それが通用する国もあるんだね。
日本人が、オーガニックを選ぶ理由は、第一に「 食べて安心」第二に「環境に優しい」。一方でヨーロッパは①と②が逆なのね。国民性の違いだね。
例えばドイツは、原発を廃止した。国がやめたんじゃない。国民がそれを支持したから原発をやめた。一方で日本は、これだけ痛い目に遭っているのに、原発をやめようとしない。なぜ?
日本は「経済優先」だから。
国民性を変えるのは、カンタンにはいかないものだね。
地元の小学校では、無農薬のお米作りのほかにも、畑で大根を育ててるんだけど、生徒が大根を収穫するときに、先生が言ったんだよね。「曲がった大根があったら、曲がったのを先に掘り起こして、持って帰りなさい」と。大根は、曲がってても、折れてても、料理するときはどうせカットするじゃない。それこそが食育!!先生が、生徒に教えてくれたことが嬉しかったね。それこそが食育だよ!と。
<2つの田んぼ、なにが違うの!?>
これは、いまから15年位前の田んぼの写真。
右がうちの自然農法の田んぼで、左が、隣のばあちゃんの田んぼ。ばあちゃんは、当時、慣行農法だったけど、除草剤や農薬は使っていなかったの。化成肥料や農協のお米専用の配合肥料だけは使っていたね。
これは、2006年1月4日の写真なんだけど、その日は、雪がどんどん降ってきて、30分ほどでパッとやんだあとの写真。外気温は2度。隣のばあちゃんの田んぼには雪があるのに、うちの無施肥の田んぼには雪がない。田んぼの中の温度を計ると、自然農法の田んぼは5度。ばあちゃんの田んぼは3度。
なぜ、自然農法の田んぼは、地温が高いのか分かる?
人間の体と同じで、微生物が活発だから地温が高い・・・?それもあるんだけど、実はね、
「田んぼに、どれだけ”地温”が伝わっているかどうか?」なんだよね。
どういうことかっていうと、慣行農法とか、化学肥料を施していると、土の表面に「肥毒層」、つまり農薬や化学肥料からできた層が作られる。その層は、冷たくて硬いの。そのせいで、地球の地温が表面に伝わらないのね。だから、それがある限り、本当の自然農法はできない。
逆に、地面がやわらかいということは、「肥毒層」がないということになるんだよね。
それからこの写真を見て。青く見えるのは「すずめのてっぽう」という雑草なんだけど、比べてみると、うちの無施肥の田んぼの方が青々としてるよね。
隣のばあちゃんの田んぼは、肥料をやってるんだよ。なのに、この差。
分かる?肥料なんて、関係ないの!もともと、関係ないの。
肥料を使えば、作物がたくさん実るっていうのは事実だけど、肥料をやることによって農薬を使わなくてはいけなくなり、悪循環になるの。
慣行農法から有機農法、自然農法に代えて、最低5年以上経たないと、無施肥の田んぼのような土にはならない。それで、ここまできた土に作物を植えれば、農薬や化学肥料をやらなくても、作物が健康に育つんだよね。

<これからのこと・新規就農について>
畑によって違うから、指導するといっても有機農法は難しいの。ところが慣行農法はね、それができるの。だって生育がわるければ肥料をし、害虫がでれば農薬をかければいい。しかし、有機農法はマニュアルがない。畑によって条件が違うから。
最近は、新規就農で有機農法を始める人が多いのね、農地も、借りやすくなっているし。ところが、経験が少ないと大変です。経験から分析できれば、同じ失敗はしないんだけど、新規の人にとって、失敗は成功のもとではなく、諦めの元になってしまうことが多いからね。
理由をきくのよ。なんで有機農法をやりたいの?って。その理由や思いを聞いてると、そいつが本物になれるかどうかは分かる。やめておけ、と説得するのが7割、8割。おまえそんな気持ちじゃとてもじゃないけど出来ないよって。
技術的な面倒を見てくれる人が身近にいればいいよね。困ったときは、周りの農家に聞き取り調査して、アドバイスもらえればやっていけるかもしれないけど。一般的な農業の技術があって、さらにその上の技術が有機農法には必要だから。有機の農家がなかなか増えない理由の一つです。
いまは、有機農法の農家に対する目が、軽蔑の目から尊敬の目に変わった。それって、とんえもねえ差。だって、昔は有機農法で作物を作る苦労よりも、人の目のプレッシャーに耐える苦労の方が、強かったからね。
奇跡のりんごの木村さんとも交流があるけど、昔から有機農法をやっている人はみんな変わり者なの。ひとくせもふたくせもないと続けてこられなかったの。
有機農法も、最初は、農薬を減らすよりも、化学肥料を減らすことから始めるの。 化学肥料とは、人間でいうと、薬をいっぱい飲んでいたのを、食生活とかを改善しながら、少しずつ減らしていくようなものです。それは、現場、現場で、様子を見ながらやっていく必要がある。
でも、どうしても欲が出るから、減らせないのよ。そこは、経験がないと、変えていけない。
(人間の病気なおしとおんなじですね・・・)
さらに、無農薬で無肥料の自然農法。俺に言わせれば、「これ以上の農法はない。」
このやり方はね、誰でも、どこでもできる技術じゃありませんよ。
基本的には、これができるのは、その土地の気候風土に、その植物が合っているか?
その見極めが必要です。その土地で、色んな物を作っていて、始めて出来るものです。
農家が、有機農法、自然農法に挑戦できない、それがいまの日本の現状だよね。
消費者と生産者のもっている情報にもズレがある。
農家は、野菜を作るにあたり、生活がかかっているから。。。
リスクを負ってさらに上のレベルに行くか?
肥料をやめてまで、自分の作っている作物を極めたいと、思わなければできないよ。
僕の場合は、たまたま、「本物の農産物を作ってみたい」という思いがあったからさ。
でも、まだまだ日本の国民は、消費者は、求めてねえ訳だよ。ごくごく一部の人が求めているわけであって、大多数がいまのレベルでいいと思っている。
やっぱり、これは売る側、農家側だけのことではない。
全体のレベルがあがんなきゃ、増えてかないよね。
最後に石綿さんより──
いま農家が農地として取り組んでいることが、環境保全になり、その中で更に有機農法をする我々の責任と役目は、ますます重要になってくると感じています。
これからも、有機農法が特別な農業ではなく、皆がやる、普通の農業になることを信じて、仲間と共に、消費者の皆さんに喜んでもらえる農産物づくりに頑張って参ります。
石渡さんのお話を聞いて───
石綿さんご自身が、慣行農法から有機農法に切り替え、さらに、ご自分での畑での実験と経験から、無農薬・無肥料での栽培が可能であると判断し、40年以上も続けてこられたと知りました。
石渡さんを訪問した際には、2時間以上終始、話が尽きず、もっと、もっと話し足りないというほどでした。農業というひとつの道を究めてこられた方の言葉は、その言葉の端々に説得力と自信が感じられました。
有機農法(自然農法)は、ただ有機の作物を作るだけではありません。土、水、生き物、国土、自然環境を保全する役割もあります。しかし、農業従事者の高齢化や、新規就農での有機農法の継続は、今の日本では難しく、さらなる農家への支援が必要です。
いま、私たちができること。国まかせではなく、一人、一人がどんな選択をするのか?どんな行動をするのか?現場の声を聞くことで、農家と消費者、立場は違えども、同じ未来を夢見る「同志」として、共に、明るい未来を目指して行動をしていきましょう。
第39回 生産者と消費者の集いレポート
令和元年11 月10 日( 日)、横浜ホテルキャメロットジャパンにて、自然と健康を守る会が主催する「生産者と消費者の集い」が盛大に行われました。生産者と消費者、立場は違えども、同じ時代を生きて未来を創造する仲間として、情報や問題を共有し合える貴重な時間となりました。
第二部の 懇親会では、
生産者からご提供頂いた食材を使い、料理長が腕を振るったおいしいお料理を囲みながら笑顔がたくさん溢れた温かな時間となりました。
稲刈りツアーレポート2019
2019年10月5日・6日、太陽米のふるさと、青森県藤崎町へ。有機米の稲刈りや、竹嶋有機農園でのりんご収穫体験など、自然豊かな青森の地で、生産者の熱意や温かさに触れることができました。
太陽米つがるロマン生産者
古川徹さんよりメッセージ
今年は暑さの影響で雑草が多く、稲より成育が早いのでグングン大きくなってしまうので、雑草にお米の栄養を取られないようにと、除草に大変苦労しました。また暑さによりカメムシの害が例年より多く出ており、今年に限っては農薬をかけているような他の農家でもカメムシが発生するほど、いつもと違う気候でした。そんな中でも、有機の田んぼの稲たちは雑草や虫の害にも負けずに逞しく育ち、今年も無事に収穫を迎えられそうです。
ところで皆さんは、田んぼの土が良い土か悪い土か、何で判断するのかご存じですか?正解は、腐葉物(植物が分解されたもの)がどれくらい入っているかで判断します。5%以上あるとよい土。よい土にするために、毎年、稲刈りの後、干した稲わらをすき込む作業をします。腐葉物が沢山含まれた土の特徴は、水を掴むチカラ、酸素を掴むチカラがあるんです。酸素は微生物のためと、根がよくはるために必要です。酸素が豊富だと微生物の住処になります。わたしの圃場は、微生物が平均に比べて三倍あると、お墨付きをいただきました。ぜひよい土で育った太陽米を、今年もたくさんお召し上がり下さい。

りんご生産者・竹嶋有機農園
竹嶋孝之さんよりメッセージ
今年の夏は高温が続き、とくに9月が
暑かった。りんごにとっては高温になって
しまうと、実が大きく柔らかくなりやすいのです。
ただ今年は、台風などの強風の被害がなく、色づきも良い傾向にあります。りんごの季節はこれからが本番です。食べて下さる皆様の健康を一番に考えて育てています。ぜひ今年も竹嶋農園のりんごをたくさんお召し上がりください。
▼太陽米つがるロマン・竹嶋さんのりんごのご注文はこちらからどうぞ▼